「日本アニマルセラピー協会」さんのインタビューを3回にわたってお送りしていますが、今回はその2回目です。
前回は「アニマルセラピーとは?」ということについてお伺いしました。
(写真:「人と犬との憩いの場所」にて)
ここるね:前回は主にセラピー犬とセラピストによる癒しの提供のお話を伺いました。今回は、ぜひ、犬以外の動物のお話も伺いしたいと思います。犬以外による癒しの提供というのもあるんですか?
風間さん:太古の昔から馬やイルカなどによる癒しがありました。古代ローマの時代には、「ホースセラピー」というものがありました。馬です。
2000年以上前から、戦士を癒すことを目的に始まったものです。ただし、今、馬を飼うとなると、お金もかかりますし、大変ですね。
ここるね:馬ですか。確かに、馬と人間には特別な関係がありそうですもんね。
奥村さん:あらゆる動物が癒しになってくれるはずです。例えば、猫を飼うことも癒しになりますね。猫を飼う方は今、増えています。ただ、セラピーということになると、できなくはないのですが、猫は環境変化に弱いので、施設に赴いてセラピーを提供するという活動にはあまり向いていません。
風間さん:亀も癒しになりますよ。ここにもいるのですが。
「動物介在活動」と言って、もちろん医療行為は勝手にはできませんが、動物による癒し効果としてオキシトシン*が出ることも、科学誌で発表されています。例えば犬を触ることでオキシトシンが分泌されるわけです。
(*編集室注:オキシトシンとは、「幸せホルモン」とも呼ばれる、体内で分泌されるホルモン。)
(写真:左から、風間理事長、横内さん、奥村さん、岩井ここるね編集長)
特に、犬は人間に寄り沿うことに慣れています。ここに170頭いるワンちゃんの中でも、殺処分になりそうだったところを連れてきた子もたくさんいます。小池都知事も「殺処分ゼロ」という施策をうたっていますが、私たちもできる範囲で貢献したいと思っています。
ある施設でドッグセラピーを実施したのですが、認知症の方に輪になって犬と触れ合ってもらいました。最初は「苦手」と言っていた方も、まわりの方が触れると「じゃあ、私も…」と言って触り始め、気が付けば楽しそうに触っている方がいらっしゃいました。
奥村さん:もちろん、犬が苦手な方もいらっしゃいますし、逆に、人の膝の上に乗るのが苦手なワンちゃんもいます。それもセラピストが見極められるようになっていきます。
風間さん:つい先日、広島の病院にある緩和ケア病棟で、ドッグセラピーを実施させていただきました。看護師さんたちもみんな楽しそうでした。事前には「行きたくない」と言っていた患者さんもいらっしゃったようですが、参加されるうちに、心臓に痛みがあったのに、「あれ?痛くないよ!」とおっしゃっていました。
残念ながら、その翌日にその方は亡くなったそうです。でも、その日は明るく、実に楽しげに会話されていました。スタッフの方も、「あんなに楽しそうにされていてよかった」とおっしゃっていました。
ここるね:そうでしたか。素晴らしいお話です。
(後記)
「アニマルセラピー」の世界って、意外にも歴史があり、
動物たちが人の役に立ってきてくれた歴史なんだ
ということを実感しました。
セラピードッグとふれ合ってみたい方はこちら→人と犬との憩いの場所のホームページ
インタビューはもう1回続きます。お楽しみに!