先日ネットオークション最大手ヤフーオークションで、今までの最高落札価格を超える額の商品が出品されました。
つけられた即決価格はなんと8億8千万円。
1692年製のAntonio Stradivariです。これまでの最高落札価格がついた奈良市の約3,000平方メートルの土地、約6億9,300万円を大幅に上回るものでした。
本日はオークションの歴史についてご紹介します。
オークションの歴史
オークションの由来を調べてみると、ラテン語で「増加」「競売する」を意味するauctioと言われています。
起源は意外と古く、歴史家ヘロドトスの文献に紀元前500年のバビロニアで開催された妻を得るための競りが始まりと書かれているようです。
紀元前27年から395年のローマ帝国時代には戦利品や捕虜が奴隷として競りにかけられ、7世紀の漢帝国では、僧侶の亡くなった後に所有物がオークションにかけられていました。
16世紀に今のようなオークションがイギリスで開始され、17世紀には頻繁に開催するようになりました。
18世紀になるとアメリカでも競りが始まり、後半にはヨーロッパへ広がったようです。オークションで有名なクリスティーズ社やサザビーズ社もこの頃に設立されています。
日本のオークション
日本では昭和24年に制定された古物営業法の関係で、チャリティーオークションぐらいしか開催されてはいませんでした。
当時の法制度は『盗難品の流通防止』と『盗難被害の早期解決』を図ることを目的としていました。
そして古物商になるためには、営業所を管轄している公安委員会の許可「古物商許可」が必要にするという明確な基準を作ったのです。
その後、1995年に古物営業法が緩和されたことで、1999年には「ヤフー」「楽天」「ビッターズ」がサイトを立ち上げて、インターネットを中心としたオークションが活発になっていきました。
そんな中2018年10月におよそ23年ぶりに法改正がされました。
背景にはインターネットやスマホが普及したことで、メルカリ・ヤフオクなどの中古品売買アプリが人気化し、全国的に古物取引が増加したこと等があります。
古物営業法改正のポイント
古物営業法の改正ポイントは以下の通りとなります。
①古物商許可手続き単位の見直し
②仮設店舗の届出
③簡易取消の新設
④欠格事由の追加
⑤非対面取引における本人確認方法の追加
⑥帳簿の様式について
⑦主たる営業所の届出(古物商人等が対象)
この中で私たちが一番使用するのは⑤非対面取引における本人確認方法の追加、ではないでしょうか。
確認事項は、
①住所
②氏名
③年齢
④職業等
となります。
注意しなければいけないのは、免許証等のコピーを送ってもらうだけでは違反となり、1万円未満であっても、18歳未満からの買取りでないことを確認する必要があります。
また法人相手の取引であっても、法人の取引担当者の住所、氏名、年齢、職業を確認しなければなりません。
こちらに違反をすると6月以下の懲役又は30万円以下の罰金が課せられます。
過去には嵐のコンサートチケットを7万円でオークション転売し、逮捕されている事例もあります。
この方たちは古物営業法違反として逮捕されました。
また、もし盗品の処分先として利用された場合は、売られた側も損害を被ることになりますので必ず本人確認をするようにしましょう。
ちなみに現在いらないものなどをオークションで売る方が多くいらっしゃいますよね?
この方たちは量が多いと、特定商取引法というのに該当します。
ただし、
・1ヶ月の出品数が200点以上
・落札額が1か月あたり100万円を超える
など事業者として判断されるくらいの量を売って初めて必要になりますので、個人で私物を出品する範囲内では問題ないでしょう。
しかし、知らずに多くありすぎると該当してしまいますので、多く売るつもりの方は、法律を一度調べてみるのもいいですね。
オークションは大きなマーケットに変貌を遂げています。
売買の仕方も変化する中、それに合わせて法整備も進んでいます。
知らなかったでは済まない場合もありますので、きちんと理解して売買を楽しんでください。